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認知症の治療 非薬物療法と薬物療法について

認知症の治療には、非薬物療法と薬物療法があります。
非薬物療法と薬物療法には認知症の治療にどのような効果があるのかご紹介します。
非薬物療法について

非薬物療法とは、薬物療法と併用しながら患者さんの持っている能力を、趣味などを活かして周りと共有し合うものです。
患者さんが和んでもらえるように昔の話や玩具などを使って進めていく事が多くなります。
非薬物療法の種類
非薬物療法には様々な種類があります。以下で具体的をご紹介します。
音楽療法
年代などに合わせた懐かしい歌やクラシックなどの音楽をかけて、心身ともにリラックスしていただくようにする非薬物療法です。
ストレスの緩和になるので、歌を歌ったり楽器を持って楽しんだりする事ができます。
リアリティーオリエンテーション(現実見当識訓練)
患者さんの名前や家族の名前、そしてその日の日付や場所、季節などを中心に日常生活で行っていることを正しく理解し、現実の認識を深めるとともに人との関わりや周辺への関心を促していく非薬物療法です。
理学療法
適度な運動をしながら転倒や寝たきりを防ぎ、睡眠や興奮を抑える効果があります。
また、脳血管障害の後遺症による認知症の場合は、ADL(日城生活動作)を落とさないように歩行訓練などのリハビリを行う場合もあります。
作業療法
折り紙や切絵、塗り絵などを通して気分の安定を図る効果があります。
作品を作って展示したり、メンバーで共同で作品を作ったりする場合もあります。
回想法
昔の話を話題したり共有しながらみんなで話し合うのが回想法です。
最近では回想法のDVDを使って患者さん同士で話が盛り上がったりすることもあります。アルツハイマー型認知症の方は昔の出来事はよく覚えているので、楽しかった昔の思い出や遊びなどを通し、患者様の主導で話していただきその情報をみんなで共有しながらお話をします。デメリットとしては戦前や戦中に生まれた方もいらっしゃるので、あまり思い出したく無いと言う患者さんもいらっしゃいます。
アニマルテラピー
犬を用いて患者様の心を落ち着かせたり、ストレスを改善されたりする新しい非薬物療法。まだまだ認知度は低いが今後こういった取り組みが多くなってくることでしょう。
アロマテラピー
アロマオイルを通して、心や体のリフレッシュやストレス、健康の保持を改善させる効果があります。
最近女性患者さんを中心に人気があり、積極的に取り入れている施設もあるようです。
タッチケアマッサージ
手などの身体の一部分に触れることで、患者様の気持ちを落ち着かせるほか興奮を抑える効果があります。
絵画療法
絵画などを楽しみながら気持ちの安定を図ります。患者様が得意なことや興味のあることを作業してもらうことで気持ちが活発化し、やる気を出せるようにしています。
園芸療法
花や果物、野菜など家庭菜園や園芸を通して、気持ちのリラックスを図る非薬物療法の一つ。患者さんの中には、畑作業や田んぼ作業をしていたという方も多いので育てたものを使って季節を味わったりするケースもあります。
認知症の方に非薬物療法をする場合の注意とは?
認知症の方に非薬物療法を行う場合にはいくつか注意する点があります。
少しでも認知症の進行を遅らせたいという気持ちが強いがあまり無理強いしてしまうとかえって信頼関係が崩してしまう可能性があります。
いくつか注意点をご紹介します。
認知症でも「自分という存在」を認識してもらう
認知症になっても「自分でできる事」はあります。
例えば、「家事」。お皿を洗ってもらうとか一緒に料理をするなど、
存在を認識してもらう事で認知症でも「生き生き」と生活できる事ができます。
プライドを傷つけない
認知症が悪化するとともに増えてくるのが「失敗」。
特に多いのが「トイレ」です。トイレに間に合わず「失禁」してしまった。
それを悪いと叱ってしまったりすることは認知症の患者さんのプライドを傷つけてしまうこともあります。まずは優しく接し、大丈夫と安心させてあげる事が大事です。
環境を変えない
介護が必要になり、家族が一緒に同居しようとするケースや施設に入所などと環境を変えることも事情によってはあるかと思います。
しかし、環境を変えることでそれまで遅れてなかった認知症を進行させる原因になります。それまでの人間関係や生活は変えずに落ち着いた生活ができるように近所の人に見守りをお願いすることや地域で安心して暮らせるよう促していくことも大切です。
よく観察する
何か様子がおかしいと思ったら、すぐに声をかけるようにしましょう。
何か様子がおかしいと思ったら声をかけてトイレに声をかけて
連れていくなど変化を見逃さないようにしましょう。
薬物療法について

薬物療法には、認知症の進行を遅らせる効果があります。
代表的なお薬には以下のようなものがあります。
薬物療法の種類
薬物療法には様々な種類があります。以下で具体例をご紹介します。
アリセプト(塩酸ドネぺジル)
記憶障害の緩和に効果があります。副作用には、食欲不振や吐き気、下痢や興奮があります。なお、不整脈や心臓に疾患がある方は服用できないので、主治医とよく相談してみましょう。
アルツハイマー型認知症の初期から中期の症状に効果を発揮します。
レミミール(ガランタミン)
記憶障害や見当識障害があるアルツハイマー型認知症の軽度から中期の方に効果があります。なお、心臓病や胃潰瘍、気管支喘息のある方は慎重に内服していただくようになるので注意が必要です。
副作用としては吐き気や嘔吐が出やすいため体調不良になりやすい薬です。
イクスロンとリバスタッチパッチ(リバスチグミン)
記憶障害の緩和に効果があります。貼り薬です。
軽度から中度のアルツハイマー型認知症に効果がはあります。
湿布薬などで痒みや発疹があった経験がある患者さんには、主治医に事前に伝えておきましょう。
その他、副作用には胸の痛みや頭痛などがみられるケースもあるので、そういう場合はすぐに主治医に伝えましょう。
メマリー
いわゆる認知症の中核症状である「BPSD」に効果を発揮します。
物取られ妄想や興奮状態を抑える効果があり、中度以上のアルツハイマー型認知症の患者さんによく内服薬として処方される事が多いです。
しかし、精神的に落ち着かせる効果があるので、薬の過剰摂取には注意が必要です。
場合によっては「日中も寝てばかり」といった事態になることもあります。
主な認知症の薬物療法でも用いられる薬を紹介しました。
もちろん薬を併用することも大切ですが、副作用も強いのでよく主治医と相談しながら内服するようにしましょう。
まとめ
認知症の治療についてまとめてきました。
特に在宅で認知症の方の介護をする場合は、様々な負担が大きく疲労もたまります。
さらに初めての介護であるがために手探りでなかなかうまくいかないこともあるかと思います。
介護疲れを感じるようになったら、ショートステイ(短期入所)を使うことやケアマネさんに相談してみるのもいいでしょう。また、認知症対応のグループホームに入ることも考えられます。住み慣れた環境で最後まで「その人らしい生活」ができるように支えていくことが重要です。
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